児玉桃の繊細な指づかいで、細川俊夫のピアノのための《エチュード》全6曲がフランス初演される瞬間!

細川俊夫のピアノのための《エチュード》3番から6番は、ルツェルン音楽祭、東京オペラシティ文化財団、英ウィグモア・ホールの共同委嘱をうけて作曲され、2013年のルツェルン音楽祭で児玉桃が世界初演した。
4曲はそれぞれ
- 書(カリグラフィー)、俳句、1つの線
- あやとり、2つの手による魔法(呪術)、3つの線
- 怒り
- 歌、リート

と副題が付けられている。

西洋で育ちながらもピアノで日本的な美や間を表現できる児玉桃が、パリ日本文化会館という特別な会場で細川俊夫の世界とどう向かい合うか。

Cadencesに「常に新しい視線で、楽譜のもつ秘密に挑むアーティスト」(2016年1月)と評されたピアニストがショパン、ドビュッシー、ラヴェルの作品とお届けする。至福の時間となること間違いない。

【児玉桃】

J.S.バッハからメシアンを含む現代作品まで、幅広いレパートリーと豊かな表現力で活躍を続ける国際派。幼少の頃よりヨーロッパで育ち、パリ国立音楽院に学ぶ。1991年、ミュンヘン国際コンクールに最年少で最高位に輝く。その後、ケント・ナガノ指揮ベルリン・フィル、小澤征爾指揮ボストン響、モントリオール響、ベルリン・ドイツ響など、世界のトップオーケストラと共演し、デュトワ指揮NHK交響楽団とのアジアツアー等着実にキャリアを築く。これまで、ノリントン指揮シュトゥットガルト放響とのドイツ及び日本ツアーを果たし、2005年は、リスボン、ラ・フォル・ジュルネ(ナント及び東京)、シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン、南仏のラ・ロック・ダンテロンの各音楽祭に参加。2006年4月には北ドイツ放送交響楽団の定期演奏会に出演し、細川俊夫の新作世界初演とモーツァルトの協奏曲を一夜で演奏するといった企画と演奏を行い、また、同年12月には、小澤征爾指揮水戸室内管弦楽団定期演奏会でも同企画が取り上げられ、いずれも高く評価された。2008年は、水戸室内管のヨーロッパ・ツアーのソリストを務めたほか、メシアン生誕100年を記念したシリーズ公演(全5回)を行い高い評価を得た。2013年にはルツェルン音楽祭、ウィグモアホール、東京オペラシティ文化財団の共同委嘱による「細川俊夫:練習曲集」をルツェルン音楽祭にて世界初演、12月には東京オペラシティにて日本初演、2014年4月にはロンドン・ウィグモアホールにてイギリス初演した。最近の活動としては、ウィーン・ムジークフェラインへのデビュー(メルクル指揮ウィーン・トーンキュンストラー管)、ノリントン指揮フランス放送フィル、フォスター指揮パリ室内管弦楽団との共演をはじめ、室内楽では、ベルリン・コンツェルトハウスでヨルグ・ヴィトマン、カロリン・ヴィトマン、アルバン・ゲルハルトと「メシアン:世の終わりのための四重奏曲」を演奏するなど、ヨーロッパでの活躍の幅を広げている。

曲目

細川俊夫   ピアノのための《エチュード》全6曲(フランス初演)
ショパン   マズルカ op.24
ショパン    スケルツォ
ショパン    ワルツ
ドビュッシー エチュード(抜粋)
ラヴェル   ラヴァルス