江戸時代以降の日本美術に描かれた妖怪や化け物を題材とした美術展。葛飾北斎歌川国芳を中心とした浮世絵や絵巻物で構成し、現代の日本の漫画・アニメの想像力の源泉を探って貰おうというもの。本展覧会では美術品として価値が高い版画や絵画を中心に、アニミズムに通じる日本文化の重要な要素である超自然界の妖怪・化け物の類を紹介し、それが現代アートや妖怪を扱ったマンガ作品(水木しげる等)漫画・アニメーションにどうつながって行くかを目に見える形で提示し、「おかしくて可愛い」妖怪の姿を紹介。子供連れのご家族、妖怪に興味を持った人、マンガ・アニメーション愛好者、浮世絵や貴重な絵巻物に惹かれた美術愛好家等、多彩なファンを集め、会期終盤となった1月には折しもフランスで高畑勲監督のアニメーション『平成狸合戦ぽんぽこ』が公開されたこともあり、会場は熱気で包まれた。会館で発行したカタログも好評で、会期3週間以上を残して売り切れ、再版を望む声がいまだに聞こえるほどである。