第27回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞者 松浦寿輝氏
作家、詩人、仏文学者、批評家…と多才な活動を続ける松浦寿輝氏による講演会を開催

2017年3月に刊行された『名誉と恍惚』は、1930年代後半の上海を舞台に、一人の警察官が軍部の罠により組織を追われ、孤独な戦いに迫られる長編小説。その圧倒的な内容で、“第27回Bunkamuraドゥマゴ文学賞”および“第53回谷崎潤一郎賞”を受賞した。
本講演では、グローバル化した今日の社会において、「小説を書く」という行為がいかなる意味を持つのかを考察する。

講演者プロフィール:
松浦寿輝(まつうら ひさき)
作家・詩人・仏文学者・批評家。1954年、東京都生れ。東京大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。パリ第Ⅲ大学にて博士号(文学)を、東京大学にて博士号(学術)を取得。詩集に『冬の本』(高見順賞)『吃水都市』(萩原朔太郎賞)『afterward』(鮎川信夫賞)、小説に『花腐し』(芥川龍之介賞)『半島』(読売文学賞)『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』『川の光』、エセー・評論に『折口信夫論』(三島由紀夫賞)『エッフェル塔試論』(吉田秀和賞)『知の庭園 一九世紀パリの空間装置』(芸術選奨文部大臣賞)『明治の表象空間』(毎日芸術賞特別賞)など多数。2012年東大大学院教授を辞職、執筆に専念する。

~「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」とは~
東京都渋谷区にある複合文化施設「Bunkamura」が主催する文学賞。
フランス・パリで80年以上の歴史を誇る文学賞「ドゥマゴ賞」のユニークな精神を受け継ぎ1990年9月3日に創設。以来、20年余にわたり日仏文学交流に寄与してきた。海外の文学賞とゆかりをもつ賞は日本の中でも特異な存在。

近年の受賞作:
 第27回 松浦寿輝氏『名誉と恍惚』(選考委員:川本三郎氏)
 第26回 中村文則氏『私の消滅』(選考委員:亀山郁夫氏)
 第25回 武田砂鉄氏『紋切型社会』(選考委員:藤原新也氏)
 第24回 山浦玄嗣氏『ナツェラットの男』(選考委員:伊藤比呂美氏)
 第23回 恩田侑布子氏『余白の祭』(選考委員:松本健一氏)