四国遍路は日本の「四国」にある88の霊場を巡る巡礼です。霊場は約1200年前に真真言宗の開祖弘法大師が修行した場所です。空海(弘法大師)は宗教だけでなく、マルチな才能を持ち、今なお日本人の尊敬を集めており、日本各地に弘法大師に関わる伝説が多く残されています。遍路はもともと僧の修行でしたが、17世紀には庶民も行うようになり、現在では外国人の遍路も数多く見られます。

四国を一周する遍路道は約1200kmあり、歩き遍路は約45日かかります。サンティアゴ巡礼と異なり、四国遍路は周回型の巡礼です。遍路を結願(終了)すると出発点に戻るため、繰り返しお遍路をする人もいます。

外国人の歩き遍路で最も多いのはフランス人です。外国人遍路からは、お接待による人情に感動した、海岸・山・農村地帯といった遍路道沿いの多様な自然の景観が素晴らしい、精神的なものを強く感じることができた、など高い評価を得ています。

四国遍路展では、写真パネルと遍路姿のマネキン、納め札、紹介動画などを通じ、四国遍路の魅力だけでなく昔から受け継がれて来ている日本の文化に触れることができます。

 

・プロフィール

黛まどか(Madoka Mayuzumi)
俳人。1999 年にサンティアゴ巡礼道約800km、2001年に韓国の釜山からソウルまでの道のり約500km、2017年に四国遍路約1400㎞を踏破。2010~2011年、文化庁派遣「文化交流使」としてパリを拠点に活動。オペラの台本執筆、テレビのナレーション、舞台朗読も手掛けるなど、俳句の枠を超えて活躍。北里大学客員教授。著者はフランスで出版された『Haikus du temps présent』(Éditions Philippe Picquier)他、デビュー作『B面の夏』など句集7冊、『奇跡の四国遍路』など紀行集・エッセイ17冊を含め、50冊以上がある。