トランスフィア#6

リオ、東京、パリ:日系ブラジル人アーティストの大岩オスカールが自らとゆかりのある、オリンピック開催地でもある三都市をテーマに現代的な問題提起をするとともに、最新作で、ユーモアやノスタルジーを交えつつ、現実的かつ想像力豊かな世界に私たちを誘います。本展ではさらに、パリ在住の二人のアーティスト、田中麻記子(日本)とカミーユ・フォンテーヌ(フランス)が、各自、東京とパリをテーマにして新作を発表、東京大会を間近にひかえて、三人のアーティストが、独自の視点と豊かな発想で、オリンピックにまつわる三都市をテーマに、独創的な手法でスポーツの祭典に迫ります。

 

大岩オスカールの作品は、鳥瞰的な視点で、人類を脅かす多種多様な世界情勢や環境の変化(戦争、テロ、地球温暖化など)を表現してきました。破綻を秘めた都市と本来は安らぎの地であるべき自然を、寓意的に示しています。本展では、今回新たに大岩オスカールが制作した、各6.7メートルの雄大な3点のオリンピック開催都市の白黒のドローイング、そして関連した油彩画の新作を展示します。これまで国際的に高い評価を得てきた大岩オスカールにとって、2024年の大会開催をひかえたパリが、さらなる活躍の場になります。この夏、金沢21世紀美術館では、大回顧展が開催されました。またMCJPの展覧会と時を同じくして、ベルギー、ブラッセルのハンガー・アートセンターでは、バルーンのインスタレーションを含む展覧会が開催されます。

 

展覧会場で上映する大岩オスカールの映像「Artiste life」は、ラテン・アメリカ・センターでも9月9日から10月9日まで上映中です。

協力:ラテン・アメリカ・センター