茶の湯。お茶を点てて飲むというささやかな行為に光を当て、芸術の域にまで高めたこの伝統文化には、日本人が受け継いできた日々の暮らしを大切に想う気持 ちが深く込められています。

日々変化していく季節の中で、茶器、菓子、掛軸、花など、さまざまな表現と演出によってお茶を愉しむ。その心は、世界中のお茶 のある暮らしを、より喜びに満ちたものへと変化させます。

日本の伝統文化の中心であった京都で生れ育まれた焼物、京焼・清水焼は、その豊かな表現力において類まれなる発展を遂げてきました。緑茶や抹茶をは じめとする日本茶が世界的なブームになっている昨今、京焼・清水焼が現代生活において世界中のお茶のある日常の風景を美しく彩ることができることを、世界 の食文化の中心地であるパリでアピールするのが目的です。

会場のデザイン監修は伝統とモダンの融合を得意とする建築家の隈研吾氏。 和紙を使って隈氏がデザインした茶室も展示され、京焼の真葛六代宮川香齋氏の子息、陶芸家で表千家流の茶人でもある宮川真一氏による茶の湯のデモンストレーションが行われます。