サンティアゴ巡礼と四国遍路――“宗教的”にも“地形的”にも全く異なる二つの道だが、「歩く」という行為において通底する。古代ギリシャの逍遥派哲学者は神殿の柱廊を歩きながら思索し、イギリスの湖水詩人は湖畔を歩きながら詩を紡ぎ、西行・芭蕉は歩いて旅をしながら和歌・俳句を詠んだ。四国遍路の自然豊かな風景を紹介しながら、「歩く」ことから生まれる詩的な思考について考察する。

*11月26日~12月21日、地上階エントランスホールにて「四国遍路展」を開催。
写真パネル、納め札の実物、遍路道の紹介動画などをご覧いただけます。

 

黛まどか
俳人。1999 年にサンティアゴ巡礼道約800km、2001年に韓国の釜山からソウルまでの道のり約500km、2017年に四国遍路約1400㎞を踏破。2010~2011年、文化庁派遣「文化交流使」としてパリを拠点に活動。オペラの台本執筆、テレビのナレーション、舞台朗読も手掛けるなど、俳句の枠を超えて活躍。北里大学客員教授。著者はフランスで出版された『Haikus du temps présent』(Éditions Philippe Picquier)他、デビュー作『B面の夏』など句集7冊、『奇跡の四国遍路』など紀行集・エッセイ17冊を含め、50冊以上がある。