寅さんが、満男の小学校生活最後の運動会に行くか行かないで、大げんか。そして旅先の佐渡島への港で出会ったのが、私生活と仕事の板挟みで何もかも投げ出したくなって、失踪中の演歌歌手・京はるみ(都はるみ)。そうとは知らず寅さんは、彼女と佐渡への二人旅。楽しい時を過ごし、やがて別れの時が。彼女の正体にいつしか気づいた寅さんは、優しい言葉をかける。そして柴又、「佐渡島の休日」に想いを馳せ、はるみの歌に聞き惚れていると、なんとはるみがとらやへやってくる・・・
都はるみの大ファンである渥美清の提案でマドンナ役が実現。京はるみという役名は、彼女がデビュー時に名乗るはずだった芸名でもある。恋に破れ、仕事一筋の生活をリフレッシュしたいと思った彼女にとって、寅さんはまさしく優しい救世主。とらやで、はるみが唄うシーンは、華やかで歌謡映画的な楽しさに満ちている。

制作:1983年(松竹)| 101分 | 日本
監督:山田洋次
出演:渥美清 、倍賞千恵子、都はるみ、藤岡琢也
ロケ地:北海道 羊蹄山、新潟県 佐渡島