制作:1974年(松竹)/103分/日本
監督:山田洋次
出演:渥美清 、倍賞千恵子、十朱幸代(マドンナ)、月亭八方(ゲスト)、春川ますみ(ゲスト)、上條恒彦(ゲスト)
ロケ地:佐賀県 唐津、佐賀県 呼子、群馬県 磯部温泉


博が工場で手のケガをしたところへ、寅さんが戻って来てひと騒動となる。やがて旅に出た寅さんは、佐賀県の呼子で、女房に逃げられた男(月亭八方)から赤ん坊を押し付けられ、呑まず食わずのまま柴又へ帰る。赤ちゃんが高熱を出すが、とらや一家が恐れていたのは、寅さんが美人看護士の木谷京子(十朱幸代)と会ってしまうことだった…

博のケガをきっかけに、中小企業に従事する人々の境遇や、看護士の労働問題の現実を描いている。彼らと対照的なのは、雇用とは無縁の寅さんの自由さ。赤ん坊を押し付けられた寅さんの戸惑いぶりと、マドンナと逢わせまいとする、人々のリアクション。マドンナ、木谷京子に十朱幸代。彼女が参加しているコーラスグループのリーダー、大川弥太郎に上條恒彦。“労働者の代表”のような弥太郎と意気投合した寅さんが、京子との仲を取り持とうとするが、果たして…