展示

本展は、今から50年前、1960年代に日本で盛り上がりを見せた都市への実験的な提案を入口に、現代に至るまでの都市を取り巻くさまざまな状況 や、現在の東京に見られる特異性を、建築や都市の模型のみならず、アニメーションや写真イラスト、映像といった多様なメディアを交えながら検証します。

1. History of Ideal City

多くの都市は地形や河川や港をよりどころに自然成長したが、理想像に向けて体系的に都市を造った事例が歴史上いくつかある。そこに現れている都市像の多様性を見てみよう。社会が抱いた独特の世界観がそこには現れている。

2. Ambitious Urban Projects in Japan

1960年代初頭に日本で重要な都市プロジェクトが3つ発表されている。いずれも実現はしなかったが、この3つの理想像を通して都市が抱え込んでいた困難とその変化を見ることが出来る。それは東京固有のものというよりも、近代化する都市が普遍的に直面した困難である。

3. World Cities: in 1960s-70s

1960年代から70年代にかけて近代的な都市計画が世界中で実現していった。計画者が意図していた都市の構想が実際にはどのように実現したか、計画案と人工衛星から測定された都市の実像を見比べてみることで見ることができる。必ずしも意図通りに実現したわけではなく、むしろ都市計画が都市をコントロールすることの困難がそこに浮彫りになっているはずだ。それは果たして失敗なのだろうか。

4. Problematique of Cities in Our Time

世界が都市化している。都市は巨大化し、既に人類の半分がそこに住んでいる。この時代における巨大都市はどのような都市像を抱くことが出来るのだろうか。世界最初のメガシティである東京を1つの事例として、都市は現実にどのように生き延びるのか考えてみたい。

(監修者・日埜直彦氏)

【関連企画】

「ストラグリング・シティーズ―60年代日本の都市プロジェクトから」展
オープニングシンポジウム

2013年4月17日(水)18時~21時
入場無料
会場 : 大ホール
使用言語 : 日本語、仏語
同時通訳付
所要時間 : 約3時間

パネリスト :
► 磯崎新 - 建築家
►  日埜直彦 - 建築家、本展示監修者
►  Alain Guiheux - 建築家
►  Marc Bourdier - 建築家、東京大学工学博士、国立パリ建築高等学院教授

*磯崎新氏が参加される予定が、やむを得ない事情で欠席となりました。

ニュイ・デ・ミュゼ(美術館の夜)

2013年5月18日(土)にフランス全土で実施される「ニュイ・デ・ミュゼ(美術館の夜)」に参加します。そのため、特別に18時~23時まで開館しています。