画家であり、イラストレーターであるフィリップ=ドゥローは世界中を旅し、その記録を水彩画旅行記作品に収め、多くの作品を出版している。

そして遂に日本へ。東京と京都を結ぶ東海道の記憶の探求にスクーターで旅立った。江戸時代の日本文化を象徴する2 冊、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」と広重の版画集「東海道五十三次」を携えて。道中、今日の日本における古い東海道の痕跡を探し、53 の宿場を彼の手帳に描きとめた。彼の絵と言葉が、消えゆく過去の記憶と現在の何気ない日本の日常の姿の間にある≪浮世絵の世界≫へと私たちを導く。