日本の性別越境文化の歴史と現在を、歌舞伎などの芸能を中心にお話します。古来、性別を越えて生きる人の多くは、神と人を媒介するシャーマンとしての社会的機能をもっていました。そこから芸能、飲食接客、セックスワークなどの機能が分化していきます。性別越境が宗教的タブーだったキリスト教社会と異なり、宗教的な制約がほとんどなかった日本は、世界で最も性別越境文化が発達した国であり、その伝統は現在まで続いています。
講師
三橋順子(みつはし じゅんこ))-日本からオンライン登壇
1955年、埼玉県秩父市生まれ。1995年頃から男性から女性への性別越境者(Trans-woman)の立場で講演・執筆活動を始め、2000年に中央大学文学部の兼任講師(現代社会研究)に任用され、日本初のトランスジェンダーの大学教員となった。2005年にはお茶の水女子大学非常勤講師として専論講座として日本初となる「トランスジェンダー論」の講義を担当した。2026年3月まで明治大学文学部非常勤講師。
【専門】ジェンダー&セクシュアリティの歴史研究。
主に日本における性別越境文化の社会・文化史。
【著書】
『女装と日本人』(講談社現代新書、2008年)
『新宿「性なる街」の歴史地理』(朝日選書、2018年)
『歴史の中の多様な「性」ー日本とアジア 変幻するセクシュアリティ』(岩波書店、2022年)
『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』(辰巳出版、2023年)。
【主な論文】
「トランスジェンダーと法」(『クィアと法 性規範の解放/開放のために 』日本評論社、2019年)
「LGBTと法律 ―日本における性別移行法をめぐる諸問題―」(『LGBTをめぐる法と社会』日本加除出版、2019年)
「ICD-11とトランスジェンダー」(『保健の科学』2020年4月号 杏林書院 2020年)
「「LGBT」史研究と史資料」(総合女性史学会編『ジェンダー分析で学ぶ 女性史入門』岩波書店、2021年)
「「唄子」を探して ―大阪における「女装バー」の成立と展開―」(『Antitled』2号、2023年)など
モデレーター
カミーユ・ルノーブル(ストラスブール大学日本研究博士)ジェンダー史およびセクシュアリティ史の専門家であり、特に 近代(1868〜1945年)日本社会における女装男装の実践と表象、ならびにジェンダーをめぐる社会的役割の移動 を主題とした研究を行っている。
※本講演には性的な内容が含まれており18歳未満の方には適さない場合があります。