「近代の万博と日本茶」には切っても切り離せない深い関係があった——。19世紀半ば幕末の開国後、日本は「外貨獲得の有効手段」として日本茶の海外進出に注力していた。初参加したパリ万博(1867)では、茶店パビリオンがナポレオン3世の目に留まり欧州内で絶賛され、以降の万博でも日本茶カフェは大人気となる。万博で繰り広げられていた「喫茶外交史」から、日本文化史の新たな一面を掘り下げる。
講師:
吉野亜湖
茶道家。静岡大学非常勤講師。静岡大学大学院人文社会科学研究科卒(文学修士)。ふじのくに茶の都ミュージアム運営委員・客員研究員。(公財)世界緑茶協会評議員。茶学術研究会監事。茶の湯文化学会会員。主な著作『近代万博と茶 世界が驚いた日本の「喫茶外交」史』(淡交社)、『現代語訳 禅茶録』(知泉書館)『日本茶文化大全』(知泉書館)等。
