万国博覧会の歴史が始まって、1+3/4世紀。ヨーロッパの世界進出を背景に始まった万博は、各時代の国際社会の様相を反映して変化してきた。近年では、中東や中央アジアなど、広範な地域の国々が初開催を経験し、文化多様性を表現する興味深い催事となっている。一方、万博が各時代の国際社会を赤裸々に映し出すレンズであるという点は、創始以来変わっていない。
佐野真由子 (京都大学教授)が「開国」直後の日本の参画(1862)や、フランスの牽引で実現した万博の国際制度化(1928)、その制度の脱植民地化(1972)などに焦点を当てながら、万博の歴史と意義を考え直す。

佐野真由子 (京都大学大学院教育学研究科教授)
東京生まれ。東京大学教養学部教養学科(国際関係論)卒業。ケンブリッジ大学MPhil課程(国際関係論)修了。東京大学より博士号(学術)取得。国際交流基金、UNESCO勤務ののち、静岡文化芸術大学准教授、国際日本文化研究センター准教授等を経て2018年より現職。
著書に、『万博学―万国博覧会という、世界を把握する方法』(編著、思文閣出版、2020)、『幕末外交儀礼の研究―欧米外交官たちの将軍拝謁』(思文閣出版、2016)、『万国博覧会と人間の歴史』(編著、思文閣出版、2015)、Pour une histoire des politiques culturelles dans le monde (共著、Poirrier, P., Ed., Comité d'histoire du ministère de la culture, 2011)、『オールコックの江戸―初代英国公使が⾒た幕末⽇本』(中央公論新社、2003)、他。
多様な分野の研究者と実務家で構成する万博学研究会(2010~)、新しい文化政策プロジェクト(2019~)を創設、代表を務めている。