​1937年(松竹大船)・64分・35mm・白黒
監督:清水宏、脚本:鯨屋當兵衛,荒田正男、撮影:猪飼 助太郎、美術・舞台設計:江坂実,穂苅貞一、音楽:伊藤宜二,島田康、出演:佐野周 二,笠智衆,日守新一,近衛敏明,大山健二,坪内美子, 爆彈小僧,長船フジヨ,突貫小僧,葉山正雄


脚本の鯨屋當兵衛は清水のペン・ネーム。軍事教練 で泊りがけの行軍演習に出かける学生たちが,道す がらさまざまな人々と出会い,別れるさまを挿話的に 描いたロード・ムービー。何度も反復される軍歌の唱 和と行進は明確に戦時体制を反映しているが,肥だ めを運ぶ農民やトラックで追い越す女学生,後をつい ていく子どもたちなどと交錯するたび,その主題は横 滑りし,転倒されていく。