クレア・パリが主催する第13回『伝統と先端と』~日本の地方の底力~(2025年11月18日~29日)は、日本の地方に根付いた伝統工芸品や伝統産業技術に光を当て、その奥に秘められた地域の魅力を紹介する企画展です。受け継がれてきた匠の技と、現代に息づく創造力をぜひご体感ください。その一環として、日本の伝統技術を直接体験できるワークショップも実施いたします。


江戸時代、加賀百万石の城下町として栄えた金沢。歴代加賀藩主の文化奨励策によって工芸の技が研ぎ澄まされ、独特の美意識を有する伝統文化の世界が花開きました。今も、藩政時代の面影を感じさせる街並みと、優れた伝統工芸品を見ることができる金沢は、国内外の観光客から注目されています。

工芸都市金沢はまた、日本の金箔生産量のほぼ100%を占める「金箔」の町としても知られています。伝統技術で作られた金箔は縁付金箔と呼ばれ、その製造法は、2014年国の選定保存技術に指定され、さらに2020年には、「伝統建築工匠の技」の一つとしてユネスコの無形文化遺産に登録されました。縁付金箔の生産量は金箔全体の20%に留まっていますが、箔質は柔らかくしっとり輝きます。その工芸品のような趣は伝統工芸や文化財の保存修復に欠かすことができません。

今回の実演では、箔工程の最後の工程であるうつし仕事をご覧いただきます。箔を、鹿皮を張った革盤(かわばん)に竹箸で移し、枠と呼ばれる四角い竹製の刀で規定の大きさに1枚1枚裁ち、「箔合紙(はくあいし)」と呼ばれる三椏(みつまた)製の紙の上に1枚ずつ重ねる工程です。




■ 開催日時:2025年11月18日(火)15時