クレアパリでは、日本の地方に根付いた伝統工芸品や伝統産業技術にスポットを当て、日本の地方が持つ知られざる魅力を発信する企画展「『伝統と先端と』~日本の地方の底力~」を、2024年11月5日(火)から11月23日(土)までパリ会場にて開催します。


この企画展に関連して、日本の伝統技術を持つ職人による実演「よみがえる幻の技法を復刻 新潟漆器の世界」を実施しますので、是非ご参加ください。


「新潟漆器」は、新潟市で作られる漆塗の工芸品で、2003年に国の伝統的工芸品に指定されました。新潟漆器の材料となる素地は、主に木材が殆どで、多彩な“塗り”により様々な模様を付けます。特に竹塗りはまるで本物と見間違えるほどで、他の産地では見られない、日本で唯一の珍しい塗りです。


新潟漆器の始まりは約400年前の江戸初期といわれています。北前船の寄港地で、古くから物資の集散地として栄えた港町新潟には、様々な地方の文化とともに沢山の漆塗りの技も伝わり、新潟漆器は「変り塗りの宝庫」と呼ばれるようになります。主に座卓やお膳、お盆などの日用品が中心で、江戸時代末期には江戸や大阪をはじめ、北海道にまで販路が広がり、新潟漆器は日本有数の漆器産地となりました。


明治期には竹塗の技法が伝わり、新潟漆器を代表する塗りの一つとして現在に至っています。それらの伝統技術を継承しつつ新しい試みに意欲的にチャレンジし、現在では新たに夕日塗(ゆうひぬり)や朧銀塗(おぼろぎんぬり)を開発するなど日々進化し続けています。


塗りと磨きを繰り返し、ひとつの製品を2~3か月かけて作る漆器ですが、今回の実演では、生産工程のうち、漆器の見栄えに大きく左右される「塗り」工程の熟練した技術をご覧いただきます。