1936年11月、フランスの冒険飛行機家、アンドレ・ジャピーはパリ・東京間100時間飛行に挑戦したが、悪天候のため佐賀県と福岡県の境にある脊振山(Mont Séfuri)に墜落、瀕死の重傷を負う。脊振村人らが山中から迅速に救出し、翌日九州大学病院へ搬入し、一命をとりとめたアンドレは、約4ケ月後にフランスボークールに無事帰郷する。この事故は日本国内で大きなニュースとなり、その後日本とフランスの間には温かな交流と絆が生まれた。
アンドレが果たせなかった夢を90年後に実現しようと、彼が操縦していたフランスの名機、コードロン・シムーンを復元して、飛べなかった佐賀-東京を飛ばそうという「赤い翼プロジェクト」が現在進行している。この好機をとらえ、アンドレの実話に想をえた本作品を、チェンバロとオカリナとパーカッションで朗読の効果を高め、スクリーン映像で臨場感を演出するなど、観客に楽しんでもらえる工夫を凝らす。
朗読舞台は、第1部はヨウコ(青木裕子)とダフネ(Vanda Benes)による対話、第2部はジャピー家の歴史とアンドレの飛行機事故に至る叙述、第3部は再び二人の対話からなる。若き日に日本で出会って以来40年間人生の喜びと悲しみを分かち合ってきたヨウコとダフネは、不思議な縁に導かれてアンドレの足跡をたどり、ダフネの故郷であるフランス・ボ―クールへと旅立つ。ヨウコは日本語で、ダフネはフランス語で、楽しく自然に意思疎通するところに注目してほしい。
本公演では、セシル・ブロン氏の司会のもと、コードロン・シムーン復元協会のステファヌ・ランテール会長とニコラ・ジャピー副会長が復元の進捗状況を1時間ほど対談したのち、朗読舞台を鑑賞するという形にして、アンドレの物語だけでなく、1930年代当時の小型機で最短時間を競う冒険飛行に対する関心も深めてもらう。朗読という文化的表現を通じて、歴史的な交流の物語を伝え、さらに新たな友好の橋を架けるため、多くの方々とこの挑戦を共有したい。
日仏朗読舞台『アンドレの翼』は、パリ公演ののち、「友情の翼」協会と軽井沢朗読館の共催、ボークール市協力により、アンドレ・ジャピーの故郷であり、神埼市と姉妹都市であるボークールのジョルジュ・ブラッサンス劇場に巡回する予定。9月21日(日)15時。
トーク
■ 18時~19時
ステファヌ・ランテール氏(コードロン・シムーン復元協会会長)
ニコラ・ジャピー氏(コードロン・シムーン復元協会副会長)
モデレーター:セシル・ブロン氏(日本航空史研究者)
日仏朗読舞台「アンドレの翼」
■ 19時~20時半
第1幕 ヨウコとダフネ
第2幕 アンドレ、羽ばたく
第3幕 旅路の果てに