400年を超える歴史をもち、日本を代表する伝統芸能のひとつ「歌舞伎」は芝居、踊り、音楽の3要素で楽しませることを追求した総合芸術です。中でも、男性が女性の役を演じる「女方」は歌舞伎のユニークな特徴のひとつ。女方は化粧、衣裳、所作、そのすべてが数百年にわたり芸術的に磨き上げられ、歌舞伎特有の手法として発展を遂げてきました。この「女方」の魅力を存分に味わえる公演が2026年4月、パリにやってきます。
今回の公演では歌舞伎俳優・中村鷹之資が舞台上で歌舞伎の化粧や着物の衣裳などをお見せする「女方ができるまで」に続き、長唄舞踊の名作「藤娘」を一曲ご披露いたします。休憩を挟んだあとには、鷹之資が女方から獅子へと姿を変え、勇壮な毛振りを見せる「石橋」(しゃっきょう)を上演。一人の歌舞伎俳優が女方と立役の両方を演じ分けます。どうぞ、お楽しみに。
【出演者プロフィール】
初代 中村鷹之資
1999年生まれ。人間国宝・五世中村富十郎の長男。2001年「石橋」で初舞台。父の薫陶を受けた確かな技術と類稀な身体能力を誇る。芸術選奨 舞踊部門 文部科学大臣新人賞など受賞歴多数。古典に向き合う真摯な姿勢と舞台上の圧倒的な熱量は観る者の胸を打ち、天王寺屋の芸魂を継承する次代の歌舞伎界の担い手として注目を集めている。

中村鷹之資 ©Tadao Matsuda