故フランス大統領ジャック・シラクに「日本の画家の中で最もパリジャンらしい画家」と 呼ばれた偉大な画家である赤木曠児郎が、2021年2月に日本で87歳の生涯を閉じました。 彼は60年にわたり、パリを水彩画と油彩画を赤い糸を使って描き続けました。 今回の展覧会で彼の作品を(再)発見することができます。

1963年にパリに到着した赤木曠児郎はたちまち芸術の都の魅力に取り憑かれ、 エコール デ ボザール(パリ国立高等美術学校)に入学し、絵画に情熱を傾けました。 1968年パリの5月革命によりの学校のアトリエが閉鎖されたため、画家は屋外での制作 を余儀なくされ、彼は街を歩きながら、このパリの豊かな文化遺産を発見したのです。

彼の旅路は、彼が住んでいたフォーブール・サントノーレ通りから始まり、その窓から、 また外からとパリを描いたのです。彼は8区界隈を自分の研究・観察をするために重点を 置きました。その後30年以上15区に住み、街の隅々まで知り尽くし、次第に描く対象の 範囲を街全体に広げ、さらに精力的に探し回るようになりました。そして彼は、その歴史 と建築の専門家にもなったのです。

さらに研究を重ね、ペンで描く水彩画と、赤い糸で浮き彫りにする油彩画という赤木曠児 郎独自のスタイルを確立しました。600点の作品は、5巻の参考書籍(6巻目も刊行中)に 収められ、ユニークな街のパノラマを見ることができます。

赤木曠児郎へのオマージュ「Paris je t'aime! pour l'éternité... 」展では、ラ・デファンスな どの都市とその近郊に捧げられた20以上の作品が展示されています。ファサード(外観)、 モニュメント(記念碑)、広場、岸壁、通りなど、それぞれの場所の美しさを昇華させる方 法を知っていた特異なアーティストの軌跡をたどります。 赤木曠児郎の世界の旅へようこそ!