本講演では、村松研二郎(ジャン・ムーラン・リヨン第3大学准教授)、アントナン・ベシュレール(日仏会館・フランス国立日本研究所研究員、ストラスブール大学准教授)を講師に迎え、高畑勲(1935-2018)の思想性について、彼の作品と著述そして視覚芸術を決定づけた表現上の選択基準の分析を通じて紹介する。東映動画(1959-1971)におけるキャリアのスタートからスタジオジブリ(1985-2018)における活動まで、日本アニメーション界において常に批判的かつ独自の立場を維持し続けた高畑。その自然の表象および人間観・社会観について、同僚である宮崎駿(1941-)の表現とも比較しつつ、考察を行う。

■ 村松研二郎(ジャン・ムーラン・リヨン第3大学准教授)
日本とヨーロッパにおける消費社会と自然環境の関係について、農業、食、社会運動、ポップカルチャーを通じ研究を行っている。
■ アントナン・ベシュレール(日仏会館・フランス国立日本研究所研究員、ストラスブール大学日本研究学科准教授)-日本からオンライン登壇
現代日本のフィクション作品に展開される表象、論証、イデオロギーに着目し研究を行っている。特に大江健三郎や村上春樹の小説等文学作品、そしてアニメーションや漫画等ポップカルチャー作品も研究対象としている。