Art Brutの専門家をゲストに迎え、障害のある作家によるアートが社会に与えてきた影響をテーマに講演します。講師にはHERALBONY EUROPE代表取締役の忍岡真理恵氏、ポンピドゥー・センターの「Art Brut展」にてキュレーターを務めたクリスティーナ・アゴスティネッリ氏、Art Brut研究の第一人者として知られるナンテール大学名誉教授のマーク・デシモ氏を迎えます。三者それぞれが、芸術と社会をつなぐ実践者としての立場から、「美」と「folie」、そして「社会」が交差する地点を、あらためて捉え直します。





講師

忍岡真理恵(HERALBONYヨーロッパ代表取締役)
2024年、HERALBONY EUROPEのCEOに就任し、アール・ブリュットの中心地であるパリへの事業拡大を主導。欧州での新たなコラボレーションを実現する上で中心的な役割を果たしている。
経歴は幅広く、経済産業省の国家公務員としてキャリアをスタートさせ、米国留学を経て経営コンサルティングや企業戦略に従事。現在は公共政策、国際ビジネス、スタートアップといった分野の経験を活かし、ヘラルボニーの海外事業強化、提携関係の拡大、アートを通じたイノベーションの促進に取り組む。




クリスティーナ・アゴスティネッリ(ポンピドゥーセンター保存収蔵学芸員兼プログラム責任者)
美術史家、ポンピドゥーセンターの保存収蔵担当およびプログラム責任者。画廊主イリス・クレールや芸術家ユクセル・アルスランの専門家であり、それぞれ2019年と2022年に開催された展覧会を監修した。
2021年以降は、ポンピドゥーセンターにデシャルム氏が寄贈したコレクションをきっかけに、アール・ブリュットのコレクションの保存・活用・充実化に関わっている。同コレクション専用展示室(Inauguration, Sous le signe du bricolage, Autour d’un ailleurs et Écrits dissidents)の監修をし、アール・ブリュット連続企画のプログラムを担当している。また、2025年にグラン・パレを会場に開催されたポンピドゥーセンターの展覧会「Dans l'intimité d'une collection. La donation Decharme au Centre Pompidou」の共同監修も務めた。国立近代美術館(MNAM)カンディンスキー図書館による研究プログラム「アール・ブリュットーデシャルム寄贈」の運営委員会メンバーでもあり、現在複数の展覧会プロジェクトに取り組んでいる。


 ©Hervé Véronèse


マーク・デシモ(パリ・ナンテール大学名誉教授)

パリ・ナンテール大学現代美術史名誉教授。コレージュ・ド・パタフィジックの幹部会員。
美術、文学、言語学、狂気をテーマとした約20冊の著作を発表している。近年の主な著書は「Émilie-Herminie Hanin (1862-1948), inventeure, peintresse naïve et brute et folle littéraire (2013)」「Sciences et pataphysique, 2 tomes(2014)」「Les Jocondes à moustaches (2014)」「Les Jardins de l’Art Brut (2016)」「Des fous et des hommes avant l’art brut (2017)」「Le texte à l’épreuve de la folie et de la littérature (avec Tanka G. Tremblay) (2017)」「Etant donné Marcel Duchamp. Palimpsestes d’une œuvre (2022)」「De quelques vies ou ce qu’il en reste. Art populaire et Art Brut (2025)」。また次の展覧会監修も務めている:「Jean-Pierre Brisset」(ラ・フェルテ=マセ 1995年)、「Michel Bréal (1832-1915) et les linguistes de son temps」(オルレアンのシャルル・ペギーセンター 1997年)、「Marcel Duchamp R Rose Sélavy」(オルレアン美術館 2005年)、「 L.H.O.O.Q., collection de Jocondes moustachues.」(日本 前橋市 2011年)、「 L’invasion des grenouilles」(ラ・フェルテ=マセ 2018年)。