2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波から15年がたった今も、その傷跡は深く残されています。写真家・畠山直哉氏は、片側には葉を茂らせ、もう片側は枯れ果てたクルミの木との出会いをきっかけに、被災地の木々に関心を寄せるようになりました。

本講演会では、写真集『Tsunami Trees』(邦題『津波の木』)(Light Motiv社出版)の刊行を機に、長い時間をかけて風景と向き合い続ける畠山氏がその忍耐強く繊細な写真表現のアプローチと活動について語ります。畠山氏との共同プロジェクト「Teiten」に取り組むティボー・オノレ氏をモデレーターに迎え、フランスおよび日本での展覧会構想についても語り合います。



講師:畠山直哉



 © buerofuerkunstdokumentation


1958年岩手県陸前高田市生まれ。1997年には木村伊兵衛写真賞、2000年には毎日芸術賞受賞。2001年、ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展の日本館企画展「Fast and Slow」に参加。2011年には東京都写真美術館で開催された個展「Natural Stories」により日本の文部科学大臣賞を受賞。同展はその後、アムステルダムのハウス・マルセイユ写真美術館、2012年には更にサンフランシスコ近代美術館でも開催された。フランスで刊行されている写真集には、『Terrils』『Kesengawa』『Rikuzentakata』(出版社Light Motiv)、『La houillère de Westphalie』(出版社Textuel)がある。



モデレーター:ティボー・オノレ


ブルターニュ西部大学視覚芸術科准教授。美術家としても活動しており、2019年からジュスティーヌ・マルジャックと共同で災害、危機、適応といった概念の研究を進め、創造行為の中にそれらの概念がいかに現れるかを探求している。2025年からは日本における自然災害の記憶化のプロセスをテーマとし、日仏アーティストや研究者と「TEITEN」プロジェクト立ち上げ、2027年から2028年にかけてフランスおよび日本での複数の展覧会開催に向け活動している。