目の見えない人はどうやってアートを見るのだろう?そんな疑問とともに白鳥氏と美術館を巡った経験と思索を描いた日本で話題の書籍が『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』です。白鳥さんは「言葉」や「会話」でアートを見ます。その豊かな会話からは、視覚の不思議、アートの意味、生きること、障がいを持つことなどが浮かび上がってきます。本講演では、見えない人と見える人が一緒に見ることの魅力や意義、面白さを著者の川内有緒が映像や写真を交えながら楽しく語ります。


撮影:齋藤陽道



講師:

■ 川内有緒(ノンフィクション作家)-日本からオンライン登壇

1972年東京都生まれ。

映画監督を目指して日本大学芸術学部へ進学したもののその道を断念。中南米のカルチャーに魅せられ、米国ジョージタウン大学の中南米地域研究学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏のユネスコ本部などに勤務し、国際協力分野で12年間働く。2010年以降は東京を拠点に評伝、旅行記、エッセイなどの執筆を行う。

 

『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)で、新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』(集英社)で開高健ノンフィクション賞を受賞。『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社インターナショナル)で全国の書店員が選ぶYahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞。その他の著作に『パリでメシを食う。』『パリの国連で夢を食う。』(以上幻冬舎文庫)、『晴れたら空に骨まいて』(講談社文庫)、『自由の丘に、小屋をつくる』(新潮社)など。映画製作も行なっており、全盲の美術鑑賞者、白鳥建二さんを追ったドキュメンタリー映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』の共同監督を務める。現在は子育てをしながら、執筆や旅を続け、小さなギャラリー「山小屋」(東京)を家族で運営する。趣味は美術鑑賞とD.I.Y。高尾山にも登ったことがないわりに「生まれ変わったら冒険家になりたい」が口癖。


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■ カロリーヌ・ジュール(Culture accessibleコンサルタント、研修講師)

10年間に渡り、パンテオンやフィルハーモニー・ド・パリでアクセシビリティを担当し、現在は文化施設における障がい者受け入れに関するコンサルタントおよび研修講師として活動。近年ではルーブル美術館やパリのノートルダム大聖堂の再開のためプロジェクトに携わった。