道川省三の陶の美は、遠心力と位相幾何学をベースにした独自の製作技法で生み出される3次元立体造形である。氏の作品からは、土という素材を形へと導く技法の現代性と、伝統的な素材との対峙が共に感じられる。

瞬時に目を引く大胆なフォルムは勿論であるが、そこに内包されたエレメントも道川作品の魅力である。特徴的な縦横のねじれは作品に躍動感を与え、自然現象を思わせる力強さを生み出している。

パリ日本文化会館での講演会では、作家本人による作品解説とともに、認識哲学研究者マリオン・ショタン氏を迎え、触覚で感じるアートとしても道川作品に迫る。