アルヴォ・ペルトの究極にシンプルで美しく、哀しくまた優しい荘厳な音の世界。
加藤訓子はアルヴォ・ペルトの世界観には「人間の持つすべての感情、思想、それを包み込む自然のとてつもない大きな力や厳しさが組み込まれている。
究極なミニマリズム、その中にメロディがあり、ハーモニーがあり、誰もが先入観を持たずに聴いたとしても、その音がどこからともなくすっと心体に浸透してくるのを感じるだろう」と言う。

そんなペルトの世界観をあえて打楽器で表現すべく、エストニアに居る作曲家本人との数え切れないやり取りを経て、完成した編曲と奏法をパリで発表する。
このコンサートでは、アメリカのミニマル音楽を代表するスティーブ・ライヒの名曲も、ライヒ本人の正式な協力を得た上で、新たな編曲で披露する。そしてイギリスの作曲家Hywel Daviesによる、マリンバの特殊な倍音で綴られるコラールも披露する。

色彩感、空気感、音色、音の広がり、打法などあらゆる点に関して、繊細な気配りのなされた音色作り、音楽創りを披露するアーティスト。
2012年の音楽の日にパリの観客を至福の世界に招いた加藤訓子の、待望のコンサートである。

曲目
♦ Six Marimbas Counterpoint (1986/2010) > Steve Reich / Kuniko Kato
♦ New York Counterpoint version for marimba (1985/2012) > Steve Reich / Kuniko Kato
♦ Cantus in memory of Benjamin Britten (1977/2012) > Arvo Pärt / Kuniko Kato
♦ Fratres (1977/2012)  Arvo Pärt / Kuniko Kato
♦ Purl Ground (2003) > Hywel Davies
♦ Spiegel im Spiegel (1978/2012) > Arvo Pärt / Kuniko Kato