先祖の信仰を辿って ―九州潜伏キリシタンはなぜカトリックを選んだのか―

1865年3月、長崎周辺の村民が大浦天主堂に赴き、「同じ心」を持っていることを認めるフランス人神父に会った。 彼らは潜伏キリシタンであり、2世紀以上にわたって先祖の儀式を秘密裏に尊重してきた。キリスト教が当時まだ禁止されている中、彼らがカトリック信仰を表明した理由は何であろうか。

マルタン・ノゲラ=ラモスは、フランス極東学院(EFEO)に在籍、現在京都大学客員講師およびEFEO京都センター支部長。2019年にCNRS出版社より、「La foi des ancêtres. Chrétiens cachés et catholiques dans la société villageoise japonaise (XVIIe-XIXe siècles)」を出版。