書家、齋藤翠渓は12歳から絵筆を持ち始め、空海の書である風信帖(中国で仏教を学んだ空海が僧侶最澄に当てて書いた手紙)に出会い書道の世界に魅せられて以来、自由な書道に専念してきました。齋藤氏は字の意味とストーリーを探求した後、思考集中力とエネルギーとを一体化し自分自身を超えて表現します。


「私の挑戦は、文字通り空海の書 「風信帖」 を書道具専門店で見つけ真の書道の世界に魅了されたときに始まりました。その時私は、空海の線の芸術の奥深さを極めたい衝動を感じたのです。空海は雲の上の人ですから 足元にも及びません。それでも一歩でも半歩でも近づこうという気持ちで稽古を続けています。」( 齋藤翠渓)


「希望」をテーマとした今回の展示では、金箔や漆などを用いた作品、硯箱、筆など道具類の展示と共に掛け軸や百人首の扇子などの書も特別展示します。力強い光、希望の光、精神の光を放つ数々の作品を通じて、不安定な現代の世界情勢の中で不安な気持ちをいただく人々に明るい希望と夢を与えることでしょう。