戦後もっとも野心的な音楽形態の一つといわれる電子音楽。その根底にあるのは「それまでに聴いたことのないものを聴かせる」という意図だ。電子音楽は、音楽的近代性への考察に基づき、技術革新や技術発展と結びつきながらラジオ局や大学の研究室に付属する実験スタジオで制作されている。日本の作品は、欧米の作品と同時代に制作されながらも、いまだにあまり知られていない。本講演では、日本における実験音楽制作の主要機関であったNHK電子音楽スタジオの歴史を明らかにするとともに、同スタジオで制作された楽曲を紹介する。 


講師:
ジェレミー・コラル
東京外国語大学で日本の現代音楽史を教える。2019年に出版社Presses du réelから『Japanoise - Extrémismes et entropie』を出版。2021年には日本の電子音楽の始まりをテーマとした論文を発表した。 





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