第17回KINOTAYO現代日本映画祭

監督:小津安二 郎 | 出演: 田中絹代、高峰秀子、上原謙、高杉早苗、笠智衆、山村聰

製作: 1950 | 本編: 112分 | ジャンル: ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕


作品概要

大佛次郎の同名小説を原作とし、日本の伝統的な価値観のなかで生きる田中絹代演じる姉と、自由奔放な高峰秀子演じる妹の対比を通して、戦後の日本の家庭の変わりゆく姿を描き出す。東京と京都を行き来しながら、戦後の大きな変化を小津調で映し出す。
宗方節子と満里子は姉妹だが似ているどころか正反対。社交的な妹・満里子は若さと自由を謳歌しているのに対し、姉の節子はアルコール中毒で失業中の夫・三村亮助を支えるために懸命にバーで働いている。ある日、東京に住む満里子が京都で寺を間借りする父親・忠親を訪ねると、ちょうど節子の元恋人の田代(ひろし)がパリから帰ってきたところだった。満里子は田代と話しているうちに、節子と田代が未だお互いに惹かれあっていることに気き、二人を引き合わせるために手を尽くすのだが——。


・12/12/2023    14:00 ~


小津安二郎

1903年東京生まれ。日本映画を代表する監督のひとりで、1927年から1962年のキャリアのなかで54本の作品を監督した。代表作に『晩春』(1949年)『東京物語』(1953年)などがある。1962年には映画人初の日本芸術院会員に選出された。 時代の経過や生活様式の洋風化、伝統的な家族の解体などの社会の変化を日常ドラマを通して描き出し、近くも遠くもある特異なそのまなざしで、観客ひとりひとりを物語のなかにいざなう。ロー・ポジションによる撮影や厳密な構図作りといった、洗練された簡潔な演出が独特の映像世界を作り出している。フランスでも世代にかかわらず根強い人気がある。