3月に行われたワールドプレミア公演に引き続き、11月6日から8日にかけ『鏡と音楽』公演がシャンゼリゼ劇場で行われる。これを機に、KARASを率いる勅使川原三郎氏、そして勅使川原氏振付の全グループ作品に出演されている佐東利穂子氏をお迎えし、お二人の音楽とダンスの世界観を伺う。

 

 

空きっ腹のように晴れわたった青空
鏡に過去は映らない

鏡の表面に何もない
見えるが何も無い

音楽や…

鏡は世界を倍にする
鏡の裏側で世界が既に割れている
鏡の裏側には隠されている人々

光の屈折率 いや溶解度

身体と音楽 呼吸音楽という流れ
数は無限に倍加すれば全てに溶け合い姿を消す
夜 太陽は焦ついた影の匂い 呼吸せよ
空きっ腹のように晴れ渡った青空

無数の呼吸が飛び交う

電波を避けた飛行者
湿度の詩 生命体

朝…


―勅使川原三郎