大工の教えに、技術は人から人へと受け継がれるものではなく、人を育てることで継承されるという考えがあります。腕を磨き、道具を備え、発見と創意の積み重ねが伝統となるのです。そして何より道具から学ぶこと。その心を受け継ぐことが大切なのだというのです。この展覧会ではさまざまな日本の建築技術を紹介してきましたが、その本質は工匠の技と心を伝えることでした。閉幕にあたって、キュレーターである西山マルセーロがこれまで自らが受けた職人の学びをご紹介します。