能声楽家・青木涼子とアンサンブル・アンテルコンタンポランのチェリストのエリック=マリア・クテュリエとのデュオ・コンサートをお届けします。 


青木涼子は、能の「謡」を現代音楽に融合させた「能声楽」を生み出し、ペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫らこれまで世界20ヵ国55人を超える作曲家たちと新曲を発表してきました。エリック=マリア・クテュリエは古典から現代曲まで幅広く弾きこなし、ショルティ、ジュリーニ、サヴァリッシュ、マゼールといった名だたる指揮者と共演してきた欧州最高峰に位置する演奏家の一人です。 


2021年9月に青木とクテュリエは月や夢など「夜」にまつわる曲をセレクションしたアルバム「夜の詞 能声楽とチェロのための作品集」をALM RECORDSよりリリース。東京の青木とパリのクテュリエがビデオ通話を通じてリアルタイム遠隔セッションを行い、両拠点で同時録音した素材をミックスしました。コロナ禍でのニューノーマルなスタイルで実現した今の時代を象徴するアルバムです。「レコード芸術」準特選盤、「音楽現代」特選盤、令和3年度(第76回)文化庁芸術祭参加作品に選ばれるなど高い評価を得ています。 


青木とクチュリエは、2017年パリで細川俊夫作曲オペラ《二人静ー海から来た少女ー》の世界初演の際に初共演。そして2021年8月にサントリーホール サマーフェスティバル2021にて同曲で再共演しました。今後デュオ活動を展開していく予定です。 



曲目 

スリーネ・F・ヘレナバレーナ / Zuriñe F Gerenabarrena (1965-) 

  ・夜 / Yoru (2018) for Noh voice and Violoncello  


ジェイミー・マン / Jamie Man (1987-) 

  ・四 ( 2017) for Noh performer and Violoncello  


Bertrand Chavarría (1978-) 

  ・Aldrete: kinamárabâfrena [ Rika Usami ] (2022) for Viloncello  


アンナキアーラ・ゲッダ / Annachiara Gedda (1986-) 

  ・物の怪 / MONONOKE (2018) for Noh voice and Violoncello 


ヤニス・ペトラスケヴィチ / Jānis Petraškevičs (1978-) 

  ・月 / Moon (2019) for Noh voice and Violoncello  



演奏家プロフィール: 

青木涼子(能声楽家)/ Ryoko Aoki (Noh singer) 

能の「謡」を現代音楽に融合させた「能声楽」を生み出し、現代の作曲家を惹きつける「21世紀のミューズ」。ペーテル・エトヴェシュ、細川俊夫らこれまでに世界20ヵ国55人を超える作曲家たちと新しい楽曲を発表。2013年ジェラール・モルティエに見出され、テアトロ・レアル王立劇場での衝撃的なデビューを皮切りに、現代音楽の本場ヨーロッパを中心に活動。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポランなどトップオーケストラとソリストとして共演するほか、パリの秋芸術祭、ムジークフェスト・ベルリン、バルトーク・フェスティバルなど世界の代表的な音楽祭にも招聘される。世界からのオファーが絶えない、現代音楽で最も活躍する国際的アーティストのひとり。 
コロナ禍においては世界の演奏家とリモート演奏するYouTubeライブ「能声楽奉納」を開催し国内外のメディアで話題になるなど、常に新しい表現に挑戦している。東京藝術大学音楽研究科修士課程修了(能楽観世流シテ方専攻)。ロンドン大学博士課程修了。2015年度文化庁文化交流使。2019年度第11回「創造する伝統賞」受賞。 

2021年「サントリーホール サマーフェスティバル 2021」にてアンサンブル・アンテルコンタンポランと細川俊夫《二人静―海から来た少女―》を日本初演。アンテルコンタンポランのチェリスト、エリック=マリア・クテュリエとリモート録音したセカンド・アルバム「夜の詞」(ALCD-131)をリリース。2022年2月にはマドリードにてスペイン国立管弦楽団と初共演し好評を博した。 

https://ryokoaoki.net/  


 エリック=マリア・クテュリエ(チェロ) / Éric-Maria Couturier (Violoncello) 

ピエール・ブーレーズの創設したアンサンブル・アンテルコンタンポランのソリストとして欧州最高峰に位置する演奏家の一人。パリ国立高等音楽院でロラン・ピドゥそしてクリスチャン・イヴァルディの元でチェロおよび室内楽を学んだ後、パリ管弦楽団に入団。ボルドー国立管弦楽団のプリンシパル・ソロを経て、2002年にブーレーズにその才能を見出された。どんな難解な曲も弾きこなすダイナミックな技術と、深く繊細な音楽性で古典から現代曲まで幅広く才能を発揮し、ショルティ、ジュリーニ、サヴァリッシュ、マゼールといった名だたる指揮者と共演してきた。現在、ソリストの活動と並行し、パリ国立高等音楽院の准教授として後進の育成にも力を注ぐ。またトリオ・タルヴェグのメンバーとしても新譜を発表し、ジャズや電子音楽の分野での演奏も注目されている。日本では2019年東京交響楽団の演奏会にて、ジョナサン・ノット指揮ヤン・ロビン《クォーク》でソリストを務めた。