監督:阪本順治 | 出演: 黒木華、寛一郎、池松壮亮、眞木蔵人、佐藤浩市、石橋蓮司
製作: 2022 | 本編: 90分 | ジャンル: ドラマ | 日本語音声・フランス語字幕


作品概要

人間の排泄物さえも回収してリサイクル。たくましく生きる江戸時代の人々の生き様を通じて、現代社会に一石を投じるドラマ。ベルリン映画祭で最優秀女優賞をとった黒木華を主演に迎え、『北のカナリアたち』の阪本順治監督が江戸時代の愛と青春の時代劇をうつくしいモノクロ映像で描き出す。
江戸時代も終わりがみえた幕末の江戸。寺子屋で子どもたちに読み書きを教えている武家育ちの22歳のおきくは、浪人の父・源兵衛と一緒に貧しい長屋生活を送っている。そんなおきくは、厠のひさしで雨宿りをしていた中次と矢亮と出くわす。ふたりとも、紙屑拾いと下肥買いという、汚い臭いと罵られる社会の最下層の仕事につき、読み書きもままならない。矢亮は中次を下肥集めの相棒として誘い、ふたりで糞尿を回収しにまわることになる。苦しく貧しくも懸命に生きる3人の若者は次第に心を通わせていく。しかし、ある日、源兵衛を襲った刺客によって、おきくは喉にけがを負って声を失ってしまう。


09/12/2023    17:00   ~ 

15/12/2023    19:30   ~  監督来場




阪本順治

1958年大阪府生まれ。横浜国立大学在学中に石井聰互監督の『爆裂都市/BURST CITY』の美術担当として映画界入り。川島透監督らの助監督を経て、デビュー作のボクシング映画『どついたるねん』(1989)で、ブルーリボン賞最優秀作品賞などの映画賞を受賞。ヒューマンドラマ『顔』(2000)や日韓合同映画の『KT』(2002)。第6回キノタヨ映画祭のコンペティション作品『大鹿村騒動記』(2011)ではソレイユ・ドールを受賞。東映創立60周年記念作品『北のカナリアたち』(2012)で日本アカデミー賞の映画賞を最多タイとなる12部門で優秀賞受賞、うち3部門で最優秀賞を受賞した。『せかいのおきく』は30本目の監督作品となり、第22回ニューヨーク・アジアン映画祭では作品上映のほかに生涯功績賞を受賞する。