私は、フランスの20世紀の哲学者(ジル・ドゥルーズなど)を研究しながら、自分の考察として、日常のなかにある倫理的なもの、また美学的なものについて検討してきた。それとの関係で、小説作品を書くようにもなった。日本文学では、『枕草子』で知られるような、日記やエッセイ的なものが文学の基礎にあり、また、長く詳しく説明するより、短さあるいは一種の有限性において何を提示するかが問われる、というところがある。今回は、こうしたことを背景として、現代における言語と人間の関係について考えてみたいと思う。
千葉雅也
講師:
千葉雅也
1978年、栃木県宇都宮市生まれ。哲学者、作家。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。東京大学教養学部卒業。パリ第10大学およびパリ高等師範学校を経て、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コース博士課程修了。博士(学術)。著書に『動きすぎてはいけない——ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(第4回紀伊國屋じんぶん大賞、第5回表象文化論学会賞)、『勉強の哲学』、『現代思想入門』(新書大賞2023)、『センスの哲学』など。小説作品に『デッドライン』(第41回野間文芸新人賞)、短篇「マジックミラー」(第45回川端康成文学賞)、『エレクトリック』などがある。

モデレータ:
アンヌ・バヤール=坂井
INALCO名誉教授。専門は日本近代文学。谷崎潤一郎をはじめ、開高健や村上春樹などの現代作家、さらに近年は2011年3月11日以降の震災後文学を研究。また、大岡昇平、円地文子、大江健三郎、川端康成、堀江敏幸、石田衣良、川上未映子などの翻訳も手がける。
