金継ぎとは、天然の漆や金粉などの金属を使い、割れたり欠けたりした陶磁器を再び使えるようにする日本独自の伝統的な工芸です。
大切な器が壊れた時、何とかして直してあげたいという思いに応えてくれるのがこの技術です。最近では合成接着剤や合成漆を使用して、簡単に治す方法も金継ぎと呼ばれていますが、私たち金継ぎ工芸会は400年前に始まった伝統と技術を受け継ぎ、大切にしています。
自然素材を使用するため、一つの修復には2~3ヵ月の時間を要します。どのように修復するかを工程ごとに紹介し、様々な作品を解説します。
金継ぎによって生み出されるアンバランスな文様の美しさ、それが表す日本の美意識と再生の精神をこの機会に感じてみてください。
講演者:福田敦子 (ふくだ・あつこ)
福岡市生まれ。福岡市に本部を置く金継ぎの愛好会である「金継ぎ工芸会(設立2006年)」会長。2002年3月より金継ぎを学び、指導。毎年、各地で作品展を開催している。